【究極の刺さりを追求】土肥富 レンジクロスフック開発ストーリー

      2017/06/01

創業120年以上の歴史と伝統を誇る国内最古のフックメーカー土肥富。

その土肥富のルアーブランドodz(オッズ)より発売されているアジングフック、レンジクロスフックの開発ストーリーです。

■レンジクロスフック開発コンセプト

レンジクロスフック

 

近代アジングの主流であるリフト&フォールの釣り方に必要な要素を詰め込んだ痒いところに手が届くフックをコンセプトに開発。

私自身、今まで色々なメーカーのフックを使ってきたけど、残念ながら形状、針先、線材、線径、フッキング率など私が満足できる製品がありませんでした。

そこで自分で手曲げで寸法などを調整して、実際にアジを釣って集めたデーターの黄金比率を元にして、土肥富の職人さんに作ってもらいました。



フォールの釣りでフッキング率が上がる為の形状の拘り!

アジングフック レンジクロスフック

 

シャンク長、ゲイプ幅、アイの位置、オープンゲイプの角度などリフト&フォールの釣りに適した寸法に調整。

フォールで食わせる時はアジがジグヘッドのヘッドの部分から食ってくる事が多く、その時にフッキング率が上がるようにシャンクの長さ、ゲイプの幅を0.5mm以下の寸法で微調整。時には0.1mm単位で職人さんに調整をお願いしたりもしました。

バレにくい喉奥に掛かりやすいようにオープンゲイプを採用。

ゲイプの開く角度も喉奥に掛かりやすく調整して、アジの少ない地域では数少ないアタリを確実に掛け、一匹一匹を大事に釣りやすくなるようにしています。

オープンゲイプにすると針先が外側に向かって開いているので、合わせを入れた時に針先の力が逃げるようになりますが、その時のパワーロスを減らすようにアイの位置も調整しています。

究極の刺さりを追求!唯一無二な鋭い針先!

シャンク長さやゲイプ幅、R形状などはもちろんなんですが、このフックの特徴は何となんといっても針先が非常に鋭く出来ているところです。

 

アジングフック レンジクロスフック

 

フックの形状は市販品を自分で曲げて調整してフッキング率が上がるようにできたけど、自分ではどうしようもないのが針先なんですね。

口元が柔らかいアジを狙うには針先の鋭さで釣果にもろに差が出てくる時が多いです。

理由は針先が鈍ってたらアジの口の中でフックが滑って刺さらずにすっぽ抜けたりするからですね。ショートバイトなどになる原因1つでもあります。

そこでレンジクロスフックは「なぜアジングに針先の鋭さが必要か?」というのを土肥富さんに伝えて「どこにも負けない鋭さで作ってください」と要望を出しました。

「このくらいで出来ていたら合格!」とラインを決めていたのですが、上がってきた製品を見てびっくり!!

予想以上の鋭さで出来ていて、思わず鳥肌が立ちました!!!

この鋭さは数多くあるライトゲームフックの中でも唯一無二と言っても過言ではないくらい素晴らしいものになっています。

他のメーカーさんのジグヘッドの針先と比べてみてください、違いがよくわかると思います。

120年以上の歴史がある土肥富の職人さん達の素晴らしい技術力を感じました。

 

バーブの位置を調整してより鋭い針先に!!

レンジクロスフック

レンジクロスフック

もう一つ注目して頂きたい部分はバーブの位置。

刺さりを重視してマイクロバーブにしたのですが、それでも刺さるときに抵抗が多くなるのがバーブの部分。

うまく奥まで刺さりやすくできないか?と色々と考えた結果、バーブの位置を針先から遠くなるように調整。 このおかげで抵抗が少なくなり、フッキングした際に針の奥まで刺さりやすくなりました。

ほんと気持ちいいくらいスッと刺さります。

奥までしっかり刺さりやすいということで、刺さりが浅くてバレてしまうといった事や、刺さりが浅いのが原因でフックが伸びてしまうということも減りました。

デメリットとして喉奥にフッキングした場合に奥までフックが刺さって外しにくくなるので、手返しをよくしたい場合はバーブを潰して使用すると快適に外せます。

 

レンジクロスフックの線径 Mサイズ0,56mm Sサイズ0,51mm

Mサイズでテストした線径は約0,5~0,7mmの間を約0,05mm刻みでテスト。 針先の鋭さの恩恵で0,7mmでもフッキングできたけど、風があるときなどに針先が刺さりきらない場合があったのでボツ。

0,5mmだと刺さりはいいけど、魚の大きさ(重量)にもよりますが、数を釣っていくとゲイプが開いてきて耐久性に難あり。

色んなラインやロッドを使って色んな条件でテストして、安定した刺さり、ゲイプの開きなどの耐久性を考慮した結果、0,56mmが平均していい数値が出たのでMサイズは0.56mmにしました。

SサイズはMサイズよりも0,05mm細くした0,51mmに設定。テストしている時に強度に若干の問題がありましたが、平打ち加工を施すことで強度の問題を解消しました。

 

■線材の質と種類と耐久性テスト

カーボンの中の炭素量が多いと硬くて針先の耐久性がいいというメリットの知識はあったのですが、デメリットの知識があまりなく土肥富さんに色々と教えて頂きました。

炭素量が多いと(カーボン100やカーボン110)製造する際に針先の成形が難しくて製品にバラつきが出やすい事。

針先の耐久性はよくなるかもしれないが、素材の硬度が高いので針先を鋭く研いでいくと掛けやすくて鋭く研ぎにくい。

硬いために「オープンゲイプだと魚を釣っていくと若干開いてくるがそれを戻そうとしたら簡単に折れてしまう」などなど、炭素量が多いカーボンを使うとデメリットの部分が多すぎて土肥富さんは使う必要性を感じないとの事でした。

ただそこはやっぱりその両方を使って比べてみたい性格なもので・・・わがままを言ってカーボン80、カーボン100の両方を使わせて頂きました(笑)

両方を比較してみるとカーボン80は安定して針先がきれいに出来ているのにカーボン100になると最初からなまっているなど製品にバラつきがありました。(カーボン100は製造上出やすいらしいです)

針先の耐久性はというと20~28cm(重量約100g~200g)40匹ずつ釣って比べても正直差は感じられない程度。

ゲイプの開き具合も20~28cm(重量約100g~200g)40匹ほど釣って0,5mm開くくらいでした。

ただカーボン80は開いたゲイプを簡単に曲げて戻せるのですが、カーボン100の場合は戻そうとすると簡単にポキッと折れることが多かったです。

実釣りで両方を使用してみて、土肥富さんの言ってたとおりカーボン80のほうが圧倒的にメリットが多い結果となったのでカーボン80を使用しました。

一口にカーボン80と言っても線材の中に不純物などがあったりして、材料の質で当然フックの品質も変わってくるので当然素材となる線材も拘って品質のいい線材を使用。

さらに線材の能力を最大限に引き出す為に、焼き入れ、焼き戻しも長年培った技術を生かしてフックに粘りが出るように調整してくれています。

このような製造過程の話ってあまり聞く事がないと思いますが、土肥富の職人さん達の素晴らしい技術があるからこそ、このような素晴らしいフックが出来たのです。

表面処理

レンジクロスフックMサイズは表面処理別に4種類。Sサイズはフローリンコート(フッ素コートのみ)となります。

FC、NS(フッ素コート) KN(銀メッキ) ケイムラグリーン、ケイムラブルー   ■フローリンコート (土肥富/odzのフッ素コートはすべてフローリンコートと呼びます)

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表面にフッ素コート。表記はレンジクロスフックMサイズがNS,レンジクロスフックSサイズがFCとなっていますがどちらも同じフッ素コート。

4種類の中でもぶっちぎりナンバーワンの貫通性。

はっきり言ってやばいくらい刺さるのでパッケージから出す時は要注意です。

フッ素コートのデメリットとして、その刺さりと引き換えに錆びに弱いという欠点があると聞いたのですが、使用して洗わずにフックケース(針先をスポンジで挟む奴)に入れて1ヶ月以上放置しても、表面にわずかに錆びが浮き出たくらいで個人的には全く気にならないレベルでした。

4種類の中でどれを使おうか悩んだ場合はFC(フッ素コート)をおすすめします!

 ケイムラグリーン、ケイムラブルー

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この2つのカラーは土肥富さんの他の地域のテスターさん達のテスト結果でよかったカラーを採用しました。

表面処理の種類によって針先の鋭さが若干変わってきますが、FC、NS(フッソ)>KN>ケイムラ各種、この順番で刺さりがいいです。

フッソに比べてKNやケイムラの刺さりは若干劣りますが、この3種類で比べたらの話。どのフックも素晴らしい鋭さに仕上がっています。

レンジクロスフックMサイズとSサイズの使い分け

レンジクロスフックMサイズとSサイズの使い分けは、釣れるアジのサイズで使い分けをするのが一番簡単な使い分けになります。

私がやっているサイズによる使い分けですが、Sは~20cm位まで、Mは18cm位~のサイズで使い分けをしています。

サイズ以外の使い分けは小魚などのベイトに付いて活性の高いアジを釣るならMサイズ、アミパターンなどの時はSサイズを使用するといった使い分けをやっています。

 

【究極の刺さりを追求】土肥富 レンジクロスフック開発ストーリーまとめ!

国内最古のフックメーカー、土肥富が作った初アジング用フック。

どこにも負けない鋭い針先、製品の寸法バラつきが少ない成型技術、線材の性能を最大限引き出す為の焼き入れ、焼き入れ、焼き戻しなど、素晴らしい技術を持つ土肥富の職人さん達が最高のフックを作ってくれました!!

これでラインがポリエステルのドラグ緩めで使っても刺さりが悪くて掛からないということも減り、フォールでもシャンクが長すぎて掛かりが悪いというストレスも無くなり、より多くのアジを釣る事が可能になりました。

このようなフックを作ってくれた職人さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

そんな職人さんの拘りがたっぷり詰まった、高品質なメイドインジャパンのアジングフック。

アジング初心者からベテランの方まで非常に使いやすいフックとなっていますので是非使ってみてください!

最後までご覧頂き、ありがとうございます。

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 - アジングロッド、アジングタックル