今回はモーリスさんのアジングロッドTFL-63Sの話。
ついに待望のTFL-63Sがモーリスさんから発売になりました!ウエダ時代からTFL-63SなどのPRO4シリーズにお世話になっていたので、注文してから発売まで首を長くして待っていました!!
ウエダ時代のTFL-63Sは現在各メーカーさんから出ているアジングロッドの流れを作ったと言っても過言ではないでしょう。
というわけでせっかく手元に旧TFL-63Sがあるので、モーリスさんの新TFL-63Sとウエダさんの旧TFL-63Sを比較を交えながらインプレしていきます。
(注)今回比較に使用している旧TFL-63Sは2007年モデルです。他の年式だと重量や寸法などが変わってきます。
外観比較
モーリスさんの新生TFL-63Sは2ピース、旧TFL-63Sはワンピースになっています。
そしてリールシートは旧TFL-63SはIPSを使用しているのに対して新TFL-63SはSKシートを使用しています。
個人的に見た目は新TFL-63Sの方が近代的なデザインでかっこいいですが、旧TFL-63Sのデザインもシンプルで好きですね!
やはり軽量化を目指すとSKシートになるんでしょう。
リールフットに指を挟まない前持ちをする私にとってはSKシートは持ちにくいですが(笑)
グリップ周りのメタルパーツもローレット加工をするなど随所に拘りを感じられます。
重量比較
気になる重量は新生TFL-63Sが約43g。07TFL-63Sが約62g。
10年前の62gといったら当時は超軽量ってイメージだったんですが、それから約10年で20gほど軽量化されています。
新TFL-63Sの43gという重量。
同じ6フィート代のアジングロッドでこれより軽いロッドってなかったような気が・・・。
なんかそのうち30g台のアジングロッドが登場してきそうですね(笑)
感度
アジが吸い込んででるコンッというアタリの場合の音の高さは、旧63がキンッという感じなら新63はカンッと言う感じで少し低めです。
旧63はブランクの中が乾いている感じで伝わるのに対し、新63は少し湿っているような感じですね。
ただ旧TFL-63Sと比較した場合は若干感度は落ちますが、旧63Sの感度が良すぎるだけで、じゅうぶん感度は出ています。
反響感度は旧63Sの方が出ているように感じましたが、逆に1g以下の軽量ジグヘッドを使用した際の荷重変化のアタリは、新63Sの方が取りやすかったですね。
ティップ、操作性(ラインはポリエステル、シンカーアジング)
左が新TFL-63Sで右が旧TFL-63S。
画像で見てもすぐわかるように新TFL-63Sの方が細くて短くなっています。そのソリッドを0,6mmに細くした恩恵で、軽量ジグヘッドの操作性が非常にいいですね。
その反面2g前後のジグヘッドを動かす際に、ちょっと動いてないように感じる時がありました。1g以下の軽量ジグヘッドを使用した時が操作感も分かりやすく、とても使いやすかったですね
。
これだけティップ細いとティップが入り込みやすくなるので、リフト&フォールで釣るよりリトリーブで釣る方がこのロッドの特性を生かせそうです。
ロッドバランス
ロッド単体のバランス
重量はかなり軽くなったけど、そうなってくると持ち重りなどのバランスが気になる所。
新TFL-63Sはロッド単体で持った場合、若干の持ち重りを感じます。
対して旧TFL-63Sはまさに神バランス!
この旧TFL-63Sのバランスに近いアジングロッドは少しありますが、ここまできれいにバランスが取れているロッドは他にまだ触った事がないですね。
新TFL-63Sのリールを付けた時のバランス。(持ち方はリールフットに指を挟まない前持ち)
05イグジスト1003(165g)ほどのリールでティップが水平より下に下がり持ち重りを感じました。
04ステラ1000PGSDH(190g)ほどのリールでもティップが水平より下に下がり持ち重りを感じました。
07ソアレ2500HGS(210g)ほどのリールを付けた時にようやくティップが水平よりも少し上に上がるくらいのバランスになりました。
私の釣り方だと重たくても190gくらいのリールで水平にバランスが取れるくらいがよかったですね。
新TFL-63Sの方が重量が軽いけど、ティップが下に下がるバランスということは、私の釣り方的にはあまり好ましくないですね。
というのも私がアクションを入れたあとのアタリを待つ食わせの間を、ロッドを水平より上に上げた状態でやる釣り方なんです。なのでティップが水平より下に下がるバランスだと、僅かなテンション抜けのアタリなどが取りにくくなるんですね。
逆にロッドを水平より下に構えて釣る人(主にリトリーブの釣り)には非常に釣りやすいバランスになっています。どのような釣りに合わせてテストしたのか分かりませんが、個人的にはそのような使い方をするようにバランスを取ってるように感じました。
ロッドパワー
2gのジグヘッドをフルキャストしてすぐに食ってきた場合の尺サイズのアジでもフッキング可能でした。(レンジクロスフック使用時)尺クラスのアジでもやり取りはロッドをあまり立てずに、リールの力で巻いて寄せるような感じでやってます。
抜き上げで試したサイズ(重量)は31cmのアジ(220g)まで。ナノアロイのブランクは薄くてすぐに折れそうな感じだけど、粘りがあるので尺クラスでもロッドを立てすぎなければ問題なく抜き上げできました。
しかし重たいサイズを抜き上げ続けるとロッドへのダメージが大きくなるので、アミで掬った方がいいでしょう。
ロッドに魂を込める手書きの文字!!
安達さんのロッドといえばやはりこの手書きの文字。プリントを貼りつけるのではなく手書きで文字を入れることで、製作者の魂が入ったロッド。間違いなくユーザーの所有欲を満たしてくれるでしょう。
さらにこの手書きの文字が消えないようにクリアコーティングも施されているんですが、その量も文字の部分に最小限にされてあります。このコーティング一つにしても、製作者の感度を落とさないようにする拘りが感じられました。
【悲報】リールシートさん、きちんとくっついてない
旧TFL-63Sと色々と比べて写真撮ったりしてから、実釣に行こうとリールを付けていたら、リールシート部の接着が弱かったみたいで取れました。
リール付けていたらリールシートがどんどん上に上がってきて「あれっ??」みたいな感じで(笑)
軽量化と感度をアップする為に接着剤の量を減らしたのか、ただの接着不良なのか分かりませんが、釣り場でリールが落ちなくてよかったです。というわけで実釣してからのインプレ記事といきたかったんですが、残念ながら1度も使用する事なくメーカーさんの方へ一旦お帰りいただきました。
それともう一つ、手持ちのPRO4シリーズはスパインがすべてきちんと出ていたのですが、今回手元に届いたロッドはスパインが出ていない状態でした。この価格でそこまで求めるのも高望みかもしれませんが、ここまで軽量化や感度に拘って作られているので、スパインも拘って出して欲しかったですね。
※追記(スパインについてメーカーさんの説明)
ブランクの製造過程でねじれなどの現象が起き、ティップ側とバット側でスパインの位置が変わってきたりします。
ティップ側を優先して出すのか、バット側を優先して出すのかでもロッドの性能が変わってくるみたいです。スパイン優先で作ると、感度面、曲がり、折れなどの問題が出てくるので、トータルでみてベストなセッティングで組んでいるらしいです。
今回使用しているナノカーボンでのスパインの方向は、あまり影響でないとの事でした。
リールシート初期不良その後
メーカーさんに初期不良で返品して、きちんと組みなおして修理完了。返品から約1週間半で無事に手元に戻ってきました。
もっと時間かかると思っていましたが、非常に素早くきちんと対応して頂きました。
モーリス TFL-63SとウエダTFL-63Sを比較しながらインプレ!まとめ
いや~まさか初期不良が当たるとは思いませんでした。どうせなら宝くじが当たって欲しいんですが(笑)
しかし手書きの文字、各パーツ類などの拘りから、現状できる限り最高のロッドを作るという思いがロッドから伝わってきました。特に1本1本手書きで文字を入れてくれているので、全く同じものがないと言うのが所有欲を満たしてくれます。
重量や手書きの文字、その他パーツ類や付属のケースなどを考えると正直「この価格よりもう少し高くてもいいんじゃないかな~」と思ってしまうレベルのロッドですね。
実釣では1,5g前後のジグヘッドを使用して早いテンポでする釣り方よりは、1g前後を使って釣るアジングの方が使いやすかったです。軽量ジグヘッドを使ったアミパターン。産卵期のアジングなどで軽量ジグヘッドを使う場合に特にこのロッドの性能が発揮されるかなと感じました。
今回モーリスさんから、TFL-63Sと4S-610Sの2種類が発売されましたが、今後もっと釣り方などに合わせてPRO4シリーズのようにラインナップも増えていくみたいですね。
ウエダの時に人気だったモデルがどんどん復刻されていくので、今後が非常に楽しみです!