【フロートアジングにおすすめ】レンジシュートフック開発ストーリー
こんにちは、矢野です。
今回は土肥富から発売されている、フロートやキャロを使った遠投用のアジング向けのレンジシュートヘッド、レンジシュートフックの開発ストーリーを紹介しますね。
YouTubeでも紹介していますので、ラジオ代わりにどうそ!!
レンジシュートフック開発経緯
レンジシュートフックを作ろうと思ったのは、現在のアジングの市場にフロートやキャロの遠投アジングに向いたフックが、なかったからですね。
Mキャロが登場した2008年頃は、アジングの遠投の釣りと言えば、キャロが主流でした。
実際に僕もアジングの遠投の釣りは、キャロを使う場面が圧倒的に多かったですね。
しかし、シャローフリークのような環付きフロートの登場により、フロートのアジングが爆発的に流行りはじめました。
そして現在も、フロートアジングの人気は衰えることなく、全国各地で盛んにおこなわれています。
しかし、冒頭でも言いましたが、現在でもフロートのアジング用に設計された専用のジグヘッドやフックが、ほとんどない状況です。
その結果、フロートのアジングをやっている時に
アタリがあってもあまり掛からなかったり、
掛けてもやり取りをしていたら途中でバレたり、
抜き上げ中にポロリと落ちるなど、
何度も悔しい思いをしてきました。
そこで、土肥富に「フロートなどの遠投アジング用のフックを作りませんか?」と、提案して、新たにフロート用のフックの開発がスタートしました。
コンセプトやフック形状、寸法なども今までレンジクロスなどのフックをテストしてきたデータを元にイメージできていたので、結構簡単に出来ると思っていましたが、それが大間違い(笑)
試作をテストしても思ったように掛からずに、原因と思われる部分を1つ1つ洗い出し、土肥富の職人さんに0,1mm単位で微調整してもらいながら、テストを繰り返していきました。
正直言って、ここまで時間が掛かるとは思わなかったので、テストしている最中に何度も心がバキバキ折れそうになりましたね。
途中でテストを中断して、ジグヘッドの釣りに浮気しないようにフロートなどの遠投アジングの道具だけ持って海に行き、テストを繰り返す日々。
もう、「フロートのフックを作ろうっていうんじゃなかった」っ何度も思いましたね(笑)
それでも、テストを重ねていくたびに、問題点が分かってきて、寸法を微調整してもらった結果、少しずつですが掛かりがよくなっていき、光が見えてきました。
改良されたプロトで狙った位置に掛かるようになったら、1匹釣る度にガッツポーズをしていましたね(笑)
そして、足掛け4年以上、作ったプロトは20種類を超え、ようやくフロートやキャロ用の遠投アジングのフックが完成しました。
常に進化し続ける遠投のアジングに対応すべく、フック形状を設計。
針の素材となる線材も質のいいものを選択。
熟練の職人による寸法のバラツキの少ない綺麗な成型に、鋭さを追求した針先。
そして、フックの粘りを出すための焼き入れ、焼き戻しの熱処理。
さらに刺さりをよくするために、フローリンコート(フッ素)の表面処理。
こうして130年以上の歴史と伝統を誇る土肥富の技術が詰まったフロート用のフックが完成しました。
レンジシュートフックのコンセプトとフック形状
レンジシュートフックは、フロート、キャロなどの遠投のアジングに適した【飲ませ掛け】がコンセプトのフックになります。
フックの形状は、「針先を少しだけ内向きにネムらせている」形状になります。
針先を少し内向きにネムらせることで、アジの口に針先が触れにくくなり、オープンゲイプのフックと比べてアジが咥えている時間が、長くなりやすいんですね。
遠投の釣りでは、フロートやキャロを遠くに投げる分、アタリがあってから合わせを入れるまでのタイムラグが、ジグヘッド単体での近距離の釣りと比べて多くなり、合わせが決まりにくくなります。
そこで、合わせを入れるまでのタイムラグを解消するために、アジが咥えている時間を長くしようと思い、フックの針先を少しだけ内向きにネムらせて、遠投の釣りでもフッキングが決まりやすいように一から設計しました。
究極の刺さりを追求したレンジクロスフックがオープンゲイプ。
ライトゲーム究極のスタンダードを追求したRHフック(ラッシュヘッドのフック)がストレートゲイプ。
そして、今回のレンジシュートフックが、針先を少しネムらせたクローズゲイプになります。
この針先のネムらせる形状が、かなり苦労しましたね。
というのも、針先をネムらせ過ぎるとアジの口に針先が触れにくくなって掛かりが悪くなりますし、逆に真っ直ぐしすぎるとオープンゲイプのフックと比べて、アジが咥えている時間があまり変わりません。
そこで、針先を色々な角度や形状でプロトを作ってもらい、アジが咥えている時間が長くなりつつ、フッキングがよくなる形状を探していきました。
アタリがあっても合わせを入れずに待っておき、どのくらいの時間でアジが暴れて吐き出そうとするという地味な方法で検証していき、
咥えている時間が長くなりつつ、フッキング率が上がるベストな形状を見つけました。
フロートを使った場合、アジの捕食の仕方によっても多少変わりますが、オープンゲイプのフックと比べてコンマ数秒~5秒ほど、咥えている時間が長くなりました。
オープンゲイプのレンジクロスの場合、アジが違和感を感じてすぐに首を振って吐き出そうとするのに対し、レンジシュートフックの場合は、アタリがあって合わせず放置してもアジがジグヘッドを咥えたままのんびり泳いで、違和感を感じたら首を振って吐き出そうとする感じでしたね。
逆にキャロやスプリットの場合は、アタリがあった後に合わせを入れなくても、オープンゲイプのフックとの差はフロートの時ほど感じられませんでした。
というのも、キャロやスプリットの場合、アタリがあって放置してもシンカーが沈んで下に引っ張られるので、アジが違和感を感じるのが早くて吐き出しやすいのかなと思います。
現に、シンカーの重さが重たいほど、吐くのが早くなっていると感じました。
なので、このアジが咥えている時間の長さは、キャロやスプリットの場合は感じにくいですが、フロートの場合は体感しやすいと思います。
レンジシュートフックのサイズの線径と使い分け
線径はフックサイズにあわせて、4種類ラインナップがあります。
Sが0.56mm
Mが0.64mm
M+が0.64mm
Lが0.71mm
どちらも強度アップのために平打ち加工をしています。
基本的にフロートやキャロは、強度のあるPEラインを使うことを前提とした線径に設計しており、M.Lサイズはギガアジ相手でも、余裕で取れる強度があります。
各フックサイズ別の使い分けは、基本的にアジのサイズに合わせて使い分けるのがベストです。
Sサイズが20cm~30cmのアジを狙う時。
M、Lサイズが、25cm以上のサイズを狙う時に使うのがおすすめです。
レンジシュートフックの線材と表面処理
各サイズともに、カーボン80を採用しています。
カーボン80よりも炭素量が多くて硬く仕上がるカーボン100(ハイカーボン)という素材の選択もありましたが、
素材が硬い分、針先の成型時に欠けやすいので、品質を安定するのが難しい。
焼きを入れてもあまり粘りが出ずに折れやすくなる。
素材に炭素が多いので錆びやすい、というデメリットがあります。
硬いというメリットよりも、上記のデメリットの方が大きいと土肥富の熟練の職人さんが言われてますし、
僕としても過去に、レンジクロスフックのテストの時にカーボン100とカーボン80を比較して、上記のデメリットを痛いほど痛感しましたので、土肥富の熟練の職人さんイチ押しのカーボン80を採用しています。
表面処理は、刺さりを優先するために全てフローリンコート(フッ素)を採用しています。
フローリンコートを採用することで、フックの表面が滑らかになり、アジの口にスパッと刺さりやすくなりました。
レンジシュートヘッドのヘッド形状と重さラインナップ
レンジシュートヘッドのヘッドの形状は、レンジクロスヘッドをベースに、上下に跳ね上がりやすいように設計しています。
すでにレンジクロスヘッドを使っていただいた方は、この形状の良さを体感されたと思いますが、左右にスタビライザー効果を狙った溝を切ることで、アクション後の姿勢が安定しやすくなり、針先のぶれが少なくなります。
その恩恵で、アジの口の縦のラインの硬い部分に掛かりやすくなり、口切れによりバラシを軽減します。
特に遠投の釣りは、アジを掛けてから寄せてくるまでの距離が長いので、この口のバレにくい部分に掛かりやすいメリットは、かなり大きいです。
重さは2026年5月現在、Sサイズが0,4g、Lサイズが0,5gの展開になります。
また今後、新たに追加ウエイトが増える場合は改めて告知しますね。
自作の時にガン玉を打つ推奨位置と重さの注意点
レンジシュートフックを使ってジグヘッドを自作する際に、おすすめのガン玉を打つ位置があります。
Sサイズがシャンクの長さ13mm前後。
Lサイズがシャンクの長さ17.5mm前後
このくらいの長さになる位置にガン玉を打つのが、おすすめです。
ガン玉は、価格帯によって左右のバラつきなどあるなど品質に差がありますが、左右のバランスを気にするならデュエルさんのガン玉。
あまり左右のバランスが気にせずコスト最優先の場合は、王様印のガン玉がおすすめです。
自作をする際の重さですが、基本的に0.4g前後の軽い重さで作る場合が、多いと思います。
しかし、軽い重さだとアジの吸い込みはいいですが、吐き出すまでの時間がかなり早くなったり、潮の流れに揉まれて姿勢が安定せずに、アジが喰わないことが、結構あったりします。
なので、上記のデメリットを解消するために0,4g前後の軽い重さ以外にも1g前後の重さを作るのを強くおすすめします。
各サイズ別、推奨ワームサイズと刺す時の注意点
レンジシュートフックSは、1in~2.5inくらいまで。
Mは1.5in〜3inくらいまで。
レンジシュートフックLは、1.5in~4inくらいまで対応しています。
ただ、使いやすいワームサイズは、Sサイズが1.5in~2in。
MとLサイズは、1.5in~3inくらいになります。
ワームを刺す時の注意点として、各サイズ共通で、フックポイントが出るように刺す必要があります。
というのも、フックサイズに対してワームのボリュームが大きいと、ワームを刺した時にフックポイントがあまり出なくなり、フッキングが悪くなります。
なので、ボリュームのあるワームを刺す時は中心に刺すのではなく、中心から少しズレた位置に刺し、フックポイントをしっかり出す必要があります。
これをやらないと、アタリがあってもムニュっという柔らかい感触が手元に伝わって、合わせも決まりにくくなります。
なので、特にボリュームのあるワームを刺す時は、中心よりも外側に刺すように意識してください。
まとめ
ついに土肥富から、フロートやキャロもアジングに適した専用フックが登場しました。
僕が設計、テストを担当したフックの中では一番時間が掛かったフックなので、感慨深いものがありますね。
このレンジシュートフックが完成したことで、土肥富のライトゲーム用のフックは、
究極の刺さりを追求した、ショートシャンクのオープンゲイプのレンジクロスヘッドとフロードライブヘッド。
ライトゲーム究極のスタンダードを追求した、ストレートゲイプのラッシュヘッド。
そして、フロート、キャロの遠投のアジング用に設計したクローズゲイプのレンジシュートヘッド。
色々なアジングの釣り方に対応できるフック形状が、土肥富のラインナップに揃いました。
創業130年以上の歴史と、国内最高峰の高い技術を持つ土肥富の熟練の職人が作った遠投のアジングに適したレンジシュートヘッド、レンジシュートフック。
全国のアジンガーの皆さまに、使っていただければ幸いです。
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